有限会社 安藤太鼓店
浜松市中区西浅田2-6-6 TEL 053-441-0871

略歴
1971 | 高校卒業と同時に「宮本卯之助商店」で修業を始める |
1977 | 浜松に帰り、3代目を継ぐ |
取材日:2012.1.20
代々続く家業でしたので、18歳で東京・浅草の宮本卯之助商店という太鼓店に丁稚として入りました。それまで家の仕事の手伝いはしていませんでしたから、ゼロからのスタートでした。そこで最低10年修業をするつもりでしたが、父の病気を機に6年半で帰郷。あとは仕事を積み重ねながら腕を磨き、今に至ります。
祭りに使うものから長唄などの演奏、神社で使うものまで、大小、種類を問わず和太鼓なら何でも手がけます。胴や革の乾燥にそれぞれ3年ほどかかりますから、いつどんな注文があっても対応できるよう、常にあらゆる太鼓の材料をそろえています。
日本各地に祭りがあり、その土地、祭りによって太鼓の音も違います。カーンと高い音、ドーンと響く音……。時には祭りに足を運び、音を聴くこともあります。お客様が求める「わが町の音」にぴったりの太鼓を作り、祭りを盛り上げ、喜んでいただく。それが私たちの務めだと思っています。
私は太鼓職人として、太鼓を通じて皆様とおつき合いしているわけですが、近年、地域の中の結びつきが薄れているのでは、と感じることがあります。例えば一昔前は、祭り前に太鼓のひもを締めて音を調節し、終わればゆるめる、ということを各地域で行うのが当たり前でした。でも最近は、ひもの締め方ゆるめ方を知らない世代がある。伝わっていないんです、太鼓の扱い方も、祭りへの思いも。こういうことは途切れず伝えてほしいですね。私たちも声がかかれば結び方の指導に行きますし、団扇太鼓のような新商品を作るなど、幅広い世代に親しんでもらえるような取り組みも続けています。
今、20年以上働いている弟子がおり、息子も4代目として修業を始めました。新しい世代には、物作りはもちろん、人々が太鼓の音色にどんな思いを込めているか、その情熱まで感じてほしい。そして多くの人が、自分たちの町の太鼓の音に親しみをもって大切にしてほしいと願っています。
浜松市中区西浅田2-6-6 TEL 053-441-0871
1971 | 高校卒業と同時に「宮本卯之助商店」で修業を始める |
1977 | 浜松に帰り、3代目を継ぐ |