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ギャラリーsensenci(ぎゃらりー・せんせんち)

ギャラリーを開放しアート交流の起点に
輝く才能の新人を見つけ、互いに成長する


ぎゃらりー・せんせんち

ギャラリーsensenci


柴田彰(右)・恵子(左)夫妻 ギャラリーsensenci主宰


取材日:2012.1.28

若手アーティストの作品発表の場を提供するギャラリー

 静岡市を走る大谷街道から脇道に入ったさらに脇道、小さな袋小路の突き当たりにあるギャラリーsensenci(センセンチ)。まるで隠されるように建つこの場で、多くのアーティスト達の交流が生まれていることをご存知だろうか。主宰する柴田彰・恵子夫妻が16年続けてきた活動が花開いている。
 ギャラリーsensenciは、作品を展示する壁の長さが1000センチメートルであることが名前の由来となっている。主に新人アーティストの作品発表のため無償でその場を提供する。展示期間は一ヵ月で、週末の土日のみ開かれるギャラリーだ。無償とするかわりに、展示終了時に一点だけ作品を残していくことになっている。
 sensenciは、交流を生み出す場所としての存在意義も大きい。通常のギャラリーであれば、例えば1週間通しで展示するものの、ギャラリー主との交流はその間だけ。週末だけとはいえ1ヵ月間となると、ふれあいはじっくり熟成する。互いに相手に対する理解が深まって友情が芽生え、やがて作家が他の作家や知人を連れてくるようになる。来訪者が増えて会話が生まれ、交流の輪が広がっていく。柴田夫妻は、そうやって知り合う多くの若者の中から数少ない光り輝く砂金のような才能を発見することを喜びとしている。
 アート関係の人脈を生かして外でも活動する。掛川市で開かれる「遠州横須賀街道ちっちゃな文化展」にはアーティストと組んで毎年出展している。2011年には、陶芸家の道川省三さんをはじめ多くの仲間や笹間の村人達の協力のもと「国際陶芸フェスティバルinささま」というイベントを企画。島田市にある人口500人の笹間地区に海外の著名陶芸家15人、国内陶芸家60人を迎えて開催し、大盛況だった。小さなギャラリーが生み出すつながりが地域振興のうねりの起点にもなりだしている。





以下、インタビュー

1. 若者・新人を応援する

恩師の活動が無償開放の原点にある
才能を見つける喜びは格別なもの

 私の高校時代の恩師であり彫刻家でもあった大村政夫先生(故人)は、自宅を開放して無料で生徒に美術を教えていました。多くの若者がそれで美術に目覚め、それぞれの道にすすんで大成しました。私が無償でギャラリーを開放するのはそれが原点です。
 展示するのは若手や新人です。成熟した芸術家は伸びしろがないのでつまらないんです。誰でも受け入れるわけではなくて、事前にお会いして夫婦で話し合って決めます。力のある人、頑張っている人を選びますが、たまに見つかる砂金のような輝く若者とめぐり会えたときは最高の喜びですね。
 また、歳を重ねていても美術において新人であれば取り上げます。静大名誉教授でビオトープ研究で知られている杉山恵一さんの作品を展示したこともあります。杉山さんは実にいい絵を描くんです。今はブリキアートを作る90歳近い方の作品を展示しようと企画中です。

2. 生み出される交流

自分の文化を持っている人物を楽しむ

 新人といっても、こちらが育てている感覚はありません。それぞれ自分の文化を持っている人達なので、私達もその人自体を知って楽しむのです。展示期間中は一緒に食事をすることも多く、濃密なつきあいになり、親しい間柄になれます。作家どうしはつながりがありますので、別の作家とも知り合いになっていって、交流が広がります。いろいろな人とお会いして私達もパワーをもらって成長させてもらっています。




3. 広がる活動

見に来てくれる人も作品を出せる催し
アートの力を使って地域を盛り上げたい

 この場で皆が楽しみたいのです。見に来てくれる人も楽しめるように、プロ・アマ問わず誰でも参加できる写真展も開きます。あらかじめ決められた一つのテーマに沿った写真なら何でも構いません。普通の人が自然に撮った写真にうならされたり、写真につけたコメントと合わせて見ると楽しさが倍増したり、面白いですよ。今年(2012年)のテーマは「出発」です。
 2011年は島田市の山間にある笹間地区で、仲間とともに「国際陶芸フェスティバルinささま」というイベントを開催しました。付き合いの長い陶芸家の道川さんの力で海外の一流陶芸家を15人も呼んで、ワークショップを開いたりしました。国内の陶芸家達も普段は集まる機会がないので、作家どうしが刺激を受けてすごい盛り上がりになりました。
 現代は街と街の生き残り競争の時代です。その中でアートを活用して街を活性化させることができればと思っています。

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ギャラリーsensenci

静岡市駿河区小鹿765-2 TEL 054-264-8626


ギャラリーsensenci(ぎゃらりー・せんせんち)

- 略歴 -

1996ギャラリーsensenciを開設。毎年3、4名のアーティスト作品を無償開放
1999遠州横須賀街道ちっちゃな文化展に参加(以後、毎年参加)
2011仲間とともに「国際陶芸フェスティバルinささま」を企画・開催


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