» 朝霧JAMS’(あさぎりじゃむず)|ふじのくに ささえるチカラ

朝霧JAMS’(あさぎりじゃむず)

音楽と地域文化を核にささえる新たな姿
土地の人も観客も、参加する全員で作る空間


あさぎりじゃむず

朝霧JAMS'


代表 矢部剛史
環境班班長 深澤学


取材日:2012/1/15

分業制を確立し活動の意義を広げたボランティア

 富士山を一望する自然公園「朝霧アリーナ」で、毎年秋に開催される「朝霧JAM」という野外音楽フェスティバルがある。観客の多くが近接するキャンプ場で宿泊し、1泊2日で国内外のアーティスト数十名のライブを楽しむ。2011年は25組が出演、観客は2万5000人に達した。その大型野外フェス運営に欠かせない存在が朝霧JAMS’(ジャムズ)だ。
 朝霧JAMS’は地元の文化・芸能のPRや場内整理、ゴミ分別ナビゲーションをするボランティアで、2001年の初開催と同時に発足。現在40名以上が在籍し、イベント当日のみの人員と合わせ総勢250名ほどで進行をささえる。
 代表の矢部剛史さんは、主軸であるイベントの運営をとおして来場者に何を伝えるかが大事だという。催しの規模が大きいこともあり、朝霧JAMS’は役割分担を徹底することで内容の濃い活動にしてきた。チーム内を「朝霧ランド班」「整理班」「キッズランド班」「ボランティア管理班」「制作班」「環境班」という6つの班に分け、個々の責任感を高めてモチベーションを維持した。地域の食文化や伝統を伝える役目を担う朝霧ランド班では、アーティストの一枠として富士宮の祭囃子(まつりばやし)保存会に演奏参加を呼びかけ、来場者を楽しませた。その他にイベント全体で地産地消を呼びかけるため、出店する飲食店に地場の食材を使ったメニューの提供を促し、PRを続けている。
 「朝霧JAMの有る無しに関わらず、地域と密接に関われるような活動をしかけていきたい」と語るのは環境班班長の深澤学さん。単なるイベント興行にとどまらない地域振興・啓蒙活動は主催者の新しい姿だ。





以下、インタビュー

1. 分別したゴミの堆肥化

地元リサイクル業者の協力のもと作物を栽培
環境維持の大切さを来場者に喚起する環境班

深澤:朝霧JAM自体が、環境に影響のある催しです。少しでも負荷を少なくするため、出店する飲食店にご理解いただき、紙食器をケナフなど土に還りやすいものにしました。お客さんにはちぎって捨ててもらうよう呼びかけています。
フォーディーさんという産廃業者の協力のもと、2009年から会場で出た紙食器を堆肥化し、野菜の栽培に生かすことも始めました。フォーディーさんも会社で管理する畑を使い、堆肥化したもので作物を栽培しています。畑の一部をお借りして育て方も教えていただきました。環境班が中心となりチーム全体で、じゃがいもやさつまいもを育てています。
 朝霧JAMS’はフジロックに飲食店として出店しており、販売するシチューに収穫したじゃがいもを使っています。次こそは、朝霧JAMで同じことを実行したい。分別したゴミを食べ物としてかえすことで、環境への取組の大切さを伝えたいんです。

2. 近隣住民の理解を得るために

参加する全員が協力して作りあげる快適な空間

矢野:夜遅くまで音を鳴らす野外フェスは、近隣住民には受け入れ難い行事です。この周辺には酪農家の方が多いので、乳牛にも悪影響を及ぼすと指摘されていました。住民の方々に顔を合わせながら、コミュニケーションをとりご理解を求め、演奏終了時間を早めるなどの調整をし、苦渋のご協力のなかで開催してきました。こうして10年以上続いたのは、飲食店や来場者の方々、フォーディーさんのような企業が僕らの活動にご協力くださり、快適な会場空間づくりを可能にしたことが大きいです。



3. 朝霧の魅力発信

役割分担で組織の一員としての責任をもたせ、
朝霧JAM以外でも地域と関わる活動に広げる

深澤:静岡は意外に野外フェスが多く、朝霧高原でも大小さまざま開催されています。そこで朝霧の食文化や魅力を伝えたり、ゴミの分別を呼びかけたり、富士山の雄姿とのどかな自然あふれるこの土地をみんなに好きになってもらうため各班で動いてきました。例をあげると、朝霧ランド班では富士宮やきそばや牛乳などの地場産品、地元の文化・芸能のPRを続けています。主たる活動はもちろん朝霧JAMの運営ですが、それだけでは毎年同じことの繰り返しになってしまいますから。そのように朝霧JAM以外でもできることを常に考え、地域に貢献したいと考えています。「面白いことをしている団体がある」とみなさんに知ってもらい、色々な人を巻きこんで活動を広げていくことが理想ですね。
 「とても気持ちがよかった。 来年も来ます」と、イベント終了時に声をかけていただくのが、やってきてよかったと思える瞬間です。

.


朝霧高原

富士宮市根原 <連絡先> TEL 090-7272-9422(深澤)


朝霧JAMS’(あさぎりじゃむず)

- 略 歴 -

2001朝霧JAM開催のため即席のボランティア結成
2002朝霧JAMS’として活動開始
2005地域の祭りのゴミナビゲーション開始
2009畑での農作業開始


一覧に戻る(TOPへ)