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NPO法人 atamista (えぬぴーおーほうじん・あたみすた)

熱海の古さと新しさが生む斬新なイベント
クリエイティブな人々を呼び込む街に


えぬぴーおーほうじん・あたみすた

NPO法人 atamista


代表理事 市来 広一郎


取材日:2012/11/12

熱海の街の活性化に取り組む若き力

 熱海で体験型の観光交流プログラム『熱海温泉玉手箱』(通称「オンたま」)を立ち上げ、定着させたNPO法人atamista。若き代表理事市来広一郎氏を中心に、斬新なアイディアを次々と実現させ、熱海の街を活性化している。
 熱海に生まれ育った市来さんの熱海への愛着は強い。大学生になって熱海から離れていたが、衰退の一途をたどっていた熱海の有様に危機感を持ち、2007年に地元に戻ってきた。インターネットのポータルサイトを立ち上げ、取材活動を皮切りに人脈を広げ、熱海の魅力を掘り起こしていった。
 2009年、満を持して開催したのが「オンたま」だ。別府八湯温泉の温泉泊覧会の手法を取り入れ、熱海の街のさまざまな場所で、街歩きや料理教室、アウトドアイベントなどの体験プログラムを実施した。年2回のペースで開催し、参加者は第1回目の657人から、2011年の第5回には1192人にまで膨らんでいる。2012年は実施時期を集中化せず、年間を通して、その季節にふさわしいプログラムを運営している。
 最近、力を入れているのがリノベーション事業。熱海の中心部にあって活用されていない物件を探して、おしゃれな空間に改築する。そこには明確な狙いがある。デザイナーや編集者、クリエイター、起業家など、クリエイティブな仕事をする人々を熱海に呼び込もうというのだ。熱海の古いものを新しい感覚の持ち主たちに使ってもらう。そうすることで熱海の文化的な素地が強化される。自らも熱海中心地にある旧店舗跡地をリノベーションしてカフェを開業した。このカフェで食やアート、音楽イベントを開いたりして早速、街の活性化に貢献している。
 atamistaは熱海の過去の栄光を取り戻そうとしているのではない。熱海の遺産を使いながら新しい熱海の姿を作り、未来につなげていこうとしている。


以下、インタビュー

1.  熱海の能力を引き出す

地方には人間が豊かに暮らせる可能性がある
街の面白い人やモノを掘り起こす

 バックパッカーで海外を旅してから東京に帰ってきた時、ストレスフルな東京の閉塞感を感じました。目は生き生きとしておらず、生命力とかパワーが感じられない。都会の暮らしではそういう閉塞感から脱することはできないと思いました。東京ではなく、地方でこそ豊かな暮らしができる環境を作っていかなくてはと思い、生まれ育った熱海に戻って来ました。熱海の街がさびれる一方だったことに問題意識もありました。
 熱海という地を元気にしたいと思って最初にやったのは、熱海の中を取材して回ることです。インターネットのポータルサイトの仕事でしたが、この過程で面白い人やモノを知り、地域の問題も見えてきたんです。
 観光地熱海にも農業問題がありました。問題意識を持つ仲間と立ち上げたのが「チーム里庭」です。遊休農地を活用して、熱海に移住してきた人に土いじりの場として提供するなどして熱海の活動場所作りにつながっていきました。

2. オンたまの立ち上げ

観光客だけでなく居住者が楽しめる場所

 いくつかイベントをやるうちに、他の人々の活動も目に入るようになってきました。そうした活動を盛り上げようと大規模イベントにしたのが「オンたま」です。観光客も大事ですが、私たちは居住者に目を向けています。「熱海には楽しめる場所が何もない」と言っていた居住者から「熱海での生活が楽しくなった」という声が聞こえるようになったのはうれしいことです。ただ、それに満足してほっておけば、また衰退していくでしょう。新しいことに挑戦し続けなければなりません。

3. リノベーション

クリエイティブな30代に選ばれる街にする
熱海中心部の文化度を高める素地作り

 atamistaは熱海の銀座町で空き家となっていた証券会社店舗の跡地をリノベーションしてカフェを開業しました。建築家、デザイナーの協力を仰いで、古い物件の建具や器具を再利用して空間づくりしています。この周辺を「セントラルアタミ」と位置付けて、このカフェのような若い人に受け入れられるリノベーション物件を増やしていこうとしています。
 目指す方向は「クリエイティブな30代に選ばれる街にしよう」です。アーティスト、デザイナー、編集者、ベンチャー経営者など文化的に創造的な仕事をする若い人々を熱海の街に呼び込んで活性化する狙いです。小さな物件でも文化活動につながる拠点が増えていけば街は元気になります。
 今、行政も商店街の個店も世代交代しつつあり、これからがチャンスだと思っています。そのためにも外部の人を入れて、街に刺激を与えたいのです。


CAFÉ RoCA

熱海市銀座町10-19 あたみシール会館1F 
0557-81-0808(CAFÉ RoCA) 0557-52-4345(NPO法人atamista)


NPO法人 atamista (えぬぴーおーほうじん・あたみすた)

- 活動歴 -

2007NPOatamista(任意団体)活動開始
 「チーム里庭」を結成
2009第一回「熱海温泉玉手箱」を開催。以後、年2回のペースで開催
2010NPO法人として認証
2012熱海中心部の旧店舗をリノベーションしてカフェを開業


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