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いなさ人形劇まつり実行委員会(いなさにんぎょうげきまつりじっこういいんかい)

四半世紀の歴史を積み上げた人形劇の祭典
市民と行政が協力して地域文化をささえる


いなさにんぎょうげきまつりじっこういいんかい

いなさ人形劇まつり実行委員会


実行委員長 石川昭治


取材日:2013年03月27日

子ども達にも大人達にも伝えたい人形劇の魅力

 いなさ人形劇まつりが始まって、2013年で25年目となる。四半世紀におよぶ歴史を積み上げることができたのは、熱意ある市民と行政が祭りに愛着と誇りを持って取り組んできたからにほかならない。初代実行委員長は旧引佐町(現:浜松市北区引佐町)の町長だったが、2代目から民間に引き継ぎ、現実行委員長の石川昭治さんで4代目となる。現在でも市民と行政がお互いに協力し合って運営している。
 第1回いなさ人形劇まつりが開催されたのは1988年。当時の竹下登内閣が実施した「ふるさと創生基金」の使い道を考えた際、町民から募集した提案をもとに実施したという。当時、町に住んでいたニュージーランド人でプロの人形劇師マックギルさんが多くの住民に慕われていたことや、横尾歌舞伎やひよんどりのような地元の伝統芸能があり、市民の芸能に対する関心が高いことが背景にあったようだ。積極的に運営に協力する人形劇団の力添えもあって、地域の名物イベントとして確立した。
 2012年の人形劇まつりでは、プロ劇団が14、アマチュア劇団が7参加した。行政の尽力で公共施設を劇団や運営者の金銭的な負担なしに利用するようにしているため、来場者は低い料金で観劇を楽しむことができる。また、観劇のはしごができるように開演時間を工夫し、たっぷりと人形劇を堪能できるようになっている。子ども達の感受性を育むという目的どおりに、子ども達は目を輝かせて劇の作中に入り込むという。
 いなさ人形劇まつりは、来場者の投票によって人形劇団に賞を授与する制度を導入しているのが特色だ。他の人形劇まつりではあまり例がないため、人形劇団の意欲を高めて熱演につながる効果がある。2013年は初めて公募による出演者選定を試みる。工夫や変化の存在も長い歴史を保つことにつながっているのは間違いないだろう。


以下、インタビュー

1. 引佐の名物イベント

目を輝かせて劇の世界に入り込む子ども達
感受性を育むのに有効な人形劇を生で観劇

 生で見る人形劇は見る人の感性に強く響きます。テレビやインターネットなど画面上では感じることができない本物の演劇なんです。子ども達は食い入るように舞台を見て、人形に感情移入して、声をかけたり、動き出したりします。現代の子ども達は昔のようにおとぎ話に接する機会が減っていると感じていますが、人形劇の世界ではおとぎ話が生きていて、子どもの感受性を豊かにすると思っています。また、子ども達の反応が劇団の熱演につながりますし、双方にとっていい効果があると思います。
 会場は町内の公共施設三か所を劇団の規模に合わせて使い分けています。実行委員は32名いて、そのほか中学生のボランティアが運営を手伝ってくれます。舞台設営は劇団が主体となってやりますが、荷物の搬入や座席の設営などは実行委員会ががんばります。人形劇団はあまり大人数ではないので、手伝いがあることをとても感謝してくれるんです。

2. モチベーション

賞を創設し、人形劇団に誇りを与える

 いなさ人形劇まつりでは、人形劇団に賞を授与する制度があります。途中、お休みしていた時期があったり、賞の形態が変わったりはしましたが、全国的に人形劇に授与する賞は少ないため、劇団のモチベーションを高める効果があるようです。
 現在は「おもしろ人形劇大賞」という名を冠して来場者の投票で賞が決まる仕組みになっています。受賞経験のある劇団が、劇団紹介の文に誇らしげに記載しているのを見ると賞を設けた成果を感じますね。

3. 工夫

継続するために劇団の公募を試みる
人形に触れて、操作を体験する時間も

 昨年(2012年)、人形劇まつりをずっと支えてくれていたプロの人形劇師くりちゃん(栗田正明さん)が亡くなったことはとても悲しいことでした。プロデューサー的な働きをしてくれていたくりちゃんに頼ることはできなくなりましたが、今後も自分たちで人形劇まつりを続けていくために2013年は公募で出演劇団を選ぶ試みをします。いまのところ手ごたえは上々で多数の劇団から応募が来ています。子どもと家族が楽しめるような演目を念頭に皆で選定するつもりです。
 運営の工夫としては、劇の合間に「ふれあいの時間」というものを設けて、人形劇が身近なものに感じてもらえるようにしています。実際に人形を触らせたり、操作方法を教えてもらったりして親睦します。人形グッズコーナーでは動く人形のキットを販売しています。子ども達が実際に触ることによって人形劇への興味を強めてくれたらいいなあと思っています。


浜松市北区引佐町

 <連絡先> 053-523-1168(石川)


いなさ人形劇まつり実行委員会(いなさにんぎょうげきまつりじっこういいんかい)

- 略 歴 -

1988いなさ人形劇まつり実行委員会を設立、
第一回を開催(以後、毎年開催)
1996マスコットキャラクター「マッシューくん」誕生
1997マスコットキャラクター「ルームちゃん」誕生
1999優秀人形劇顕彰制度開始(2007年まで継続)
2008日本人形劇大賞受賞劇団の連続公演
2011おもしろ人形劇大賞の表彰開始


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