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Groomしずおか(ぐるーむ・しずおか)

竹を使って里山と街をつなぐイベント
生活文化や華道、工芸で竹を再構築


ぐるーむ・しずおか

Groomしずおか


代表 田中義朗


取材日:2013年03月26日

放置竹林の手入れから始まった活動が文化の盛り上げと連動

 現代の日本の山林において、放置竹林が大きな問題になっている。竹は生命力が旺盛で、手入れをしないまま放置しておくと山林を侵食し、里山の環境を脅かす。里山の再生と活性化を目指すグループGroomしずおかは、知恵を出し合って放置竹林の被害を抑えようと活動している。竹という素材を見直してもらうため、文化面からも様々なアプローチをしている。
 代表の田中義朗さんは、勤務する会社で土砂崩れなどの防災事業に関わっている。仕事柄、山間部に行くことが多く、放置竹林問題には心を痛めていた。山林が荒れれば土砂崩れにつながる恐れが高まるが、竹林のほとんどは民間の所有なので、行政も手を入れることができない。人々の生活の中で竹の利用を活性化することで竹林の管理が進むように動き始めた。考えたのは里山と街をつなげ、街の人に里山に興味を持ってもらうこと。そして竹や木など里山にある資源を街の人の感性でとらえ直して新しい使い方を模索しようということだ。それには竹と相性のいい文化のパワーを活用しない手はない。
 竹サミット、里山フェスタ、Bamboo Café…とイベントを次々と打ち出し、その中で竹の魅力を伝えている。富士市在住の若き華道家、辻雄貴さんには素材となる竹を提供するとともに、作品を展示する場所もセッティングした。松崎町で驚くほど精巧な竹細工作品を作る斎藤徳幸さんの作品も展示した。2012年静岡で開催した国際軍縮会議では、竹を斜めに切ってろうそくを灯す竹灯篭を青葉シンボルロードに6000個並べた。竹灯篭は東日本大震災の被災地にも送られ、明かりを灯した。
 GroomしずおかのGroomとは「手入れする」という意味を持つ。その活動は竹林のみならず、山間地と市街地、芸術と自然、人と人といった関係まで手入れしているかのように映る。


以下、インタビュー

1. 里山文化を守る

放置竹林を里山資源として活用につなげる
イベントで竹の魅力を発信し、注目してもらう

 私は土砂災害の予防と対策の観点から放置竹林を減らしたいという考えもありますが、そもそも自分が子供のころ接していた里山の環境が好きで大事にしたいと思っていました。同じような思いを持つ個人が集まって結成したのがGroomしずおかです。現在10名のメンバーがいます。
 竹は昔から日本の生活文化の中で使われてきた素材ですが、最近は化学製品に押されて利用が減っています。使われないから放置されてしまうという悪循環になっています。そこで、竹という素材を見直してもらい、里山資源として活用してもらうよう考えています。
 竹サミットや里山フェスタといったイベントを開催して竹の魅力を伝えています。華道家の辻雄貴さんはメンバーの一人から紹介してもらって、これまで何回かコラボレーションしています。彼の作品は竹を使うことが多いので、Groomしずおかとの相性はとてもよいです。

2. 場所の活用

七間町のアトサキセブンが街と里山をつなぐ場に

 現在、静岡市まちづくり公社の協力を得て、七間町の映画館跡地「アトサキセブン」の施設と空間を利用させてもらっています。ここは街中ですし、里山情報を発信して街と里山をつなげるには良い場所です。後から知ったことですが、駿河竹千筋細工の発祥がこの近くだったと聞いて、縁を感じています。広場にバンブージムなど竹を使ったオブジェを作ったり、建物内に竹製品を展示したりしています。ここの展示をきっかけに国際軍縮会議で竹灯篭を灯すことになるなどPRする効果はあります。

3. 化学反応

技能、技術を持った人に発表の場を作る
竹を現代で活かすために新しい発想取り込む

 街での活動は、現代の経済活動の中に竹のような里山資源をできるだけ取り入れてもらおうとする狙いがあります。街の人に里山を身近なものと感じてもらい、若い人の視点で竹という素材をとらえなおし、面白いアイデアを出してほしいのです。里山に街の人を連れて行くこともあります。街と里山で分野の違う人が入り混じって化学反応のようなものが起きるのではないかと期待しています。
 洋菓子店とコラボレーションして、店内装飾に竹を飾ったり、竹の器のプリンを作ってもらったり、いろいろと仕掛けを作っています。そうした場で、竹を加工、利用する技能を持った人の作品を展示することで、誰かがヒントを得て動き出すということもあると思うのです。作家の方々にとっても自分の作品の発表の場となるので、持ちつ持たれつのいい関係が築けます。一般に知られていない隠れた名人のような人をどんどん発掘して協力していきたいですね。


静岡市街地近郊の里山及びアトサキセブン

静岡市葵区七間町15 E-mail groom.shizuoka※gmail.com ※を@に置き換えてください。


Groomしずおか(ぐるーむ・しずおか)

- 略 歴 -

2012Groomしずおか設立。洋菓子店キャトルエピスとコラボした「竹サミット」開催。タリーズコーヒーとの共同企画「Bamboo Café」開催。里山フェスタ開催
2013国連軍縮会議in静岡にて「平和の路 竹灯ろうプロジェクト」実施。青葉シンボルロードに6000個の竹灯篭を灯す


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