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社会福祉法人 焼津福祉会 虹の家(しゃかいふくしほうじん・やいづふくしかい・にじのいえ)

焼津の文化を伝えるオリジナル産品を開発
障がい者が生き生きと社会とつながる契機に


しゃかいふくしほうじん・やいづふくしかい・にじのいえ

社会福祉法人 焼津福祉会 虹の家


管理者 山梨 由紀子(右)
施設利用者の皆さん


取材日:2013/05/13

鰹の絵柄を配したトートバッグが地元の製品として人気に

 全国有数の漁港がある焼津市では、生活文化の中に魚に関するものが数多く取り込まれている。食材としての魚はもちろん、魚河岸シャツのように地元の人々に愛される日用品もある。そんな土地柄で、最近人気が上がっているのが鰹の図案を大胆にあしらったデザインの鰹トートバッグだ。作っているのは社会福祉法人焼津福祉会が運営する生活介護事業所「虹の家」。ここに通う障がい者の方々がひとつひとつ丁寧に縫製している。
 鰹トートバッグは外部から頼まれて製造しているのではなく、虹の家の職員が自ら企画して世に出したオリジナル製品である。鰹の姿がまるごと描かれたてぬぐいを素材として使い、焼津の伝統的な鰹縞という模様をあしらった持ち手とあいまって、焼津の製品であることを現している。地元の呉服店と相談しながら、あくまでも地元にちなんだものを作ろうという意志を持って企画した結果なのだ。売り出したら、あれよあれよという間に人気が急上昇した。2010年の授産製品コンクールでは静岡県知事賞を受賞した。
 虹の家はその後もオリジナル製品を打ち出す。2012年に販売開始したパッチワークトートは、手ぬぐいをパッチワークのように配し、「焼津」の文字が書かれた文様をつけている。手ぬぐいは様々なバリエーションがあるため、お客さんの好みに応じて自在に配置できる。イベントの記念品などの需要が生まれ、これも人気製品となっている。2012年に同コンクールで再び県知事賞を受賞した。
 受賞したことで知名度が高まり、製造を担当する障がい者の人達のやる気も高まる。製品の受発注に絡んで様々な人々が虹の家を訪れるようになり、障がい者への理解を深める機会にもなっている。焼津の魚文化がこのような形で社会貢献につながっていることはもっと広く知られていいことだろう。


以下、インタビュー

1. きっかけ

国民文化祭の記念品作りの依頼が転機に
地元の人が誇れるトートバッグが誕生する

 縫製事業は虹の家を設立してまもなく始めましたので、30年くらいやっていますが、方向が大きく変化したのは2009年、第24回国民文化祭・しずおかの開催がきっかけです。記念品を作ってほしいとの依頼が、オリジナル製品の製造販売主体へとつながっていったのです。それまでは受託製品の縫製がほとんどでした。
 記念品の企画にあたっては、虹の家職員で「焼津らしいものを作ろう」と話し合いました。焼津には魚河岸シャツもあり、魚にちなんだものにしたいと地元の呉服店を訪ね、鰹の全身が染められた手ぬぐいを仕入れてきました。そして「これでトートバッグを作ってみよう」というアイデアが出てきたのです。バッグならば複雑な縫製はなく、施設の人達もできるからです。
 鰹縞の持ち手、「焼津」の文字の入った図案も縫い付けました。これが大きな反響を呼びました。魚河岸シャツを着ているときに持つバッグとしてもよく合うんです。持つ人が人から声をかけられ、口コミでも広がりました。

2. 成長

県知事賞受賞でやる気も売り上げも上がる

 鰹トートバッグは2010年の授産製品コンクール(NPO法人オールしずおかベストコミュニティ主催)で県知事賞を受賞しました。知名度が高まると売れ行きもアップします。地元のホテルで販売してもらったり、他の商品企画の依頼がきたりして、虹の家の縫製事業は大きく成長しました。施設の人達にとっても大きなやりがいとなったのです。職員もやる気が盛り上がり、その後のパッチワークトートというヒット商品の開発につながりました。今では売り上げの8割をオリジナル商品が占めています。

3. 交流

バッグをきっかけに施設を訪れる人が増える
障がい者への理解深まり文化的な社会参画に

 パッチワークトートはいろいろな図柄の手ぬぐい生地をお好みで配置できるので、様々なニーズに対応できます。結婚式の引き出物、法事用などまとまった数で注文が入り、効率的に製造できる環境が整ってきました。焼津らしさが地元の人に受けていて、遠くにいる親戚や友人など全国に向けて贈り物として使われ、焼津の文化を広げることにもなっていると思います。
 現物を見に来たり、新しい製品の企画の相談に来たり、虹の家への訪問者はかなり増えました。縫製する現場も見て、ちゃんとした製造技術と商品管理のことを知ってもらいます。一般の人の障がい者への理解が深まる効果があるのはとてもうれしいことです。文化祭などのイベントへの出店依頼も来るようになりました。施設の利用者にとっても、人々と交流するいい機会となっています。作業に誇りと責任感が生まれる効果ももたらしています。今後も焼津という地元に根差した製品を出すことにこだわっていきたいと思います。


社会福祉法人 焼津福祉会 虹の家

焼津市大覚寺3-2-1 TEL 054-629-5712


社会福祉法人 焼津福祉会 虹の家(しゃかいふくしほうじん・やいづふくしかい・にじのいえ)

- 略 歴 -

1984焼津福祉会が障がい者の通所厚生施設「虹の家」を開設
2009第24回国民文化祭・しずおかでの記念品制作を受注。鰹トートバッグが世に出る
2010静岡県授産製品コンクールで鰹トートバッグが県知事賞を受賞
2012静岡県授産製品コンクールでパッチワークトートバッグが県知事賞を受賞


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