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NPO法人 音楽の架け橋メセナ静岡(えぬぴーおーほうじん・おんがくのかけはし・めせなしずおか)

メセナでクラシック音楽を身近にし
音楽と人、人と地域の架け橋になる


えぬぴーおーほうじん・おんがくのかけはし・めせなしずおか

NPO法人 音楽の架け橋メセナ静岡


理事長 高橋 正彦


取材日:2011/11/17

クラシック音楽の敷居を低く、門戸を広くして、感動を分かち合いたい

 メセナというのは、企業が資金を提供して文化、芸術活動を支援するという意味のフランス語である。一時期、多くの企業はメセナに意欲的に取り組んだ。しかし、長い景気低迷がこの活動を急激に失速させている。
 2006年10月にNPO法人を立ち上げて以来、高橋正彦さんは、企業や団体に支援をお願いして地元の音楽家たちの活動をサポートしてきた。大小のコンサートを開き、施設に出向いてのミニ音楽会も開催する。障害のある人やその家族を毎回コンサートに招待し、今年は、東北大震災で被害を受け静岡に避難している家族を招いた。音楽を演奏する側、聴く側を結びつけ、クラシック音楽への敷居を低く誰もが聴きに来られる場を提供してきた。
 活動を続けるうちに新たな問題点にも遭遇した。介助が必要な方の安全確保や適切な介助の仕方など、受け入れるホール側にきちんと技術を習得したボランティアスタッフが必要なのだ。クラシックの敷居を低くしても、受け入れ態勢が整わないのでは、活動の意義は半減してしまう。そこで一緒に活動する仲間の声を聞き、社会福祉協議会の助成を得て、2011年からコンサートホールのボランティアスタッフ育成プログラムにとりかかった。
 最近は企業からの資金援助が難しく、高橋さんや活動に参加してくれるアマチュア音楽家たちの持ち出しになってしまうことも多い。しかし、高橋さんに共感する仲間の輪は静かに着実に広がっている。高橋さんの次の目標は「富士山音楽祭」の開催だ。昨年度から動き出した富士山を世界文化遺産に登録しようというプロジェクトを応援して、富士山のふもとで静岡県内全ての音楽家や音楽愛好家たちが参加できる音楽祭を開催したいと考えている。


以下、インタビュー

1. NPO法人の設立

クラシック音楽との衝撃的な出会い
グランシップで『メサイア』を聞き目覚める

 私は石原裕次郎や五輪真弓の歌が好きで、それが嵩じてクラブまで作ってしまったことがあるんですよ。クラシックを聞いた事がないわけじゃないけれど、ただ聞いていただけです。それがある日、ふらっと寄ったグランシップでオラトリオの『メサイア』に出会って、こういう音楽があるのか、クラシックはこんなにも素晴らしいものかと全身で感動してしまいました。私もメサイアを歌いたいと、すぐにクリスチャン・コワイヤという合唱団に入会申し込みに行ったほどです。居ても立ってもいられないほど衝撃を受けたんですね。60代も後半でしたから、クラシック音楽への遅い目覚めです。
 私とクラシックとの付き合いはそれからです。地元の音楽家が自腹でコンサートを開いたり、音楽活動が資金難になっていたりする状態を見聞きし、自分がなんとか役に立てないかとNPO法人設立を思い立ったわけです。新聞社に長く勤めていましたので、培った人脈を生かして企業や団体のトップに音楽活動への支援をお願いしました。

2. 招待活動

音楽の感動は年齢問わず伝わる

 コンサートでミニ講演をしてくれる脳外科医の金子満雄先生もおっしゃっていますが、子供の脳が発達するのは3歳からです。なので私は小さな子どもにもクラシック音楽を聴いてほしい。
 障害を持っている方から「とても不思議な音楽、優しい気持ちになれました」と手紙をいただきましたが、これこそモーツァルトです。感動を共有できるって素晴らしいじゃないですか。私たちのコンサートは敷居を低くして、誰もが入りやすくしたいのです。

3. 支援の次のステップ

誰もが安全に気軽に音楽を楽しめるように
コンサートホールの体制を整備していく

 2007年頃、私の活動を新聞記事で見たある企業が支援の申し出をしてくれました。それからずっと支援いただいて「モーツァルトのやさしい調べ」を4回開催することができました。来年の5回目で一応の区切りとなりますが、モーツァルトのバイオリン協奏曲全5曲をアマチュア音楽家たちがコンサートホールで演奏できる、これはこの企業の支援あってのチャレンジでした。
 いろいろなお客様を受け入れるための体制づくりも始めました。絨毯の多いコンサートホールでは車椅子の移動は難しく、危険な事もあります。震災以降は、安全確認のために静岡県内の各コンサートホールにアンケート調査を始めました。ボランティアスタッフ育成のために、専門知識や技術が身に着くプログラムも実施しています。今後は活動に共鳴してくれるボランティアがたくさん増えて、老若男女、健常者や障害者の垣根なく、音楽を楽しむことの出来る環境づくりに力を注ぎたいと思います。


静岡市市民活動センター内 NPO法人音楽の架け橋メセナ静岡

静岡市葵区一番町50番地 TEL 054-201-9918


NPO法人 音楽の架け橋メセナ静岡(えぬぴーおーほうじん・おんがくのかけはし・めせなしずおか)

- 略 歴 -

2006NPO法人「音楽の架け橋メセナ静岡」立ち上げ
2007映画「筆子・その愛-天使のピアノ-」を見て障害のある方と一緒に音楽を楽しもうと考える。
2007「音楽の架け橋メセナ静岡」設立一周年記念事業として、5つの音楽公演に障害のある方を招待
2008~2011ABC音楽の贈り物「モーツァルトのやさしい調べ」Ⅰ~Ⅳを開催
2011社会福祉協議会から助成金を得てコンサートホールのボランティアスタッフ育成プログラムを開始
2011静岡県共同募金会の助成を受け、県内の音楽ホールの安全確認などについてアンケート調査を行う


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