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北上くらしのサロン(きたうえくらしのさろん)

地元の数ある魅力を発掘し学び続ける
旺盛な好奇心と行動力溢れる女性のサロン


きたうえくらしのさろん

北上くらしのサロン


代表 馬場妙子


取材日:2013/06/14

30年にわたり三島の活性化を担う女性パワー

 北上くらしのサロンは、三島の北上文化プラザ(北上公民館)の女性学級10クラスのうちの1クラスである。1984年(昭和59年)に初代代表の庄司峯子さんが、この女性の活動グループを設立した。その17年後、庄司さんの熱意と会員たちの強い希望に応え、三島市議会議員であり会員でもあった馬場妙子さんが後を継ぎ現在に至る。
 1969年(昭和44年)、新幹線開通を機に、農村の色濃かったこの三島の北上地区に団地の建設が続き、新しい住民が増えて街の雰囲気も変わっていった。庄司さんは、新旧の地元の女性たちの仲間づくりと生涯学習の必要性を感じ、この会を立ち上げた。彼女が代表の時、地域にまつわる歴史や民族文化、郷土料理について研究し多数の冊子を多数発行した。ほかにも江戸時代の三嶋宿樋口家本陣料理の再現をして披露するなど、三島の伝統文化を次々と掘り起こし、かたちにしてきた。
 現在は馬場さんを中心に36人の会員が隔週で公民館に集まり、三島に関わる事柄をテーマに活動している。「三嶋のお土産何がいい?」というテーマでは、地元を代表する工芸作品である「三四呂(みよろ)人形」を土産物として普及させる活動をしている。三島市出身の芸術家、野口三四郎の作品であるこの人形は、和紙で出来ているため現存する作品は少なく、三島市内に残る24点の三四呂人形は市の文化財となっている。馬場さんたちは、さまざまな協力を受け、この人形の試作品を暗中模索で作り始め、試行錯誤を繰り返し3年目にようやく完成した。そして誰が見ても作れるように、作り方をまとめた。今後、三島土産として製品化されることを目指して活動を続けている。
 この会が、常に女性に人気があるのは、料理や手芸などの楽しい体験教室と、環境や食品問題などの真剣な勉強会が交互に経験できるからだ。毎年恒例の北上公民館まつりでは、三島をテーマにしたさまざまな内容の出展作品や展示物の制作をしている。
 この会の教室からはいつも女性パワーみなぎる明るい大きな笑い声が聞こえてくる。このように女性たちが元気であり続ければ家庭も明るくなり、その地域にとっても素晴らしい活力源となるだろう。


以下、インタビュー

1. 長年の活動

三島に関わる多種多様なテーマで楽しく活動
さまざまな経験を積み“継続は力なり”を実感

 私たちのグループは常に社会と関わりながら、こつこつと地道に勉強を続けています。平均年齢60歳半ばを越える女性たちが、元気で明るく三島の街おこしにひとはだ脱ごうと活動しています。
 この会では、専門的に1つのことを追求するのではなく、暮しをリードする女性の立場から、興味を持ったすべてのことをテーマにしています。30年間続けられたのは、わいわいがやがやと、皆で半歩ずつでも、やりたいことを楽しんできたからだと思います。その結果、非常に多くの経験を積むことができました。
 以前から、公民館学級の中でもとても人気のあるクラスです。会員も毎年増えています。新しく入られた方にとってはすべての講座が初めてのことですから、常に皆さんが経験を共有できるよう、ハムや味噌造りなど毎年必ず同じテーマの講座を設けています。
 地元の女性たちが気持ちを1つにし、70年近くも活動を続けてきた底力を示していくことで、この地域を盛り上げていきたいです。

2. 地元の魅力と新土産

三島の魅力や新しい土産物を広めていきたい

 私たちは、三四呂人形や三島茶碗など三島に関係あるものは何でも取り上げてきました。毎回、専門家を呼んで基礎から学び、意味のある内容にしています。そして女性の目線で地域の魅力を見つけ出して発信しています。
 苦労して試作に成功した三四呂人形は、可愛くて気軽な三島の土産物として広めていきたいです。毎年恒例の北上プラザまつりでは、この人形を展示したり、同じ女性学級の茶道部の茶会では三島茶碗でお茶をお客様にお出ししたりするなど、地元の方々に三島ゆかりの品々を身近に触れていただける活動をしています。

3. 初代代表の思いを継いで

郷土の食や伝統文化を掘り起こし発信し続けた
初代の思いを継ぎ、今後も続く女性たちの活動

 庄司さん(初代代表・現名誉会長)の着眼点は素晴らしいです。女性の目を通して、郷土の歴史や食文化を調査したり、健康の秘訣やおふくろの味を地元の老人会の方々に取材して冊子にするなど精力的に活動していました。ほかにも江戸時代、三嶋宿の本陣家当主である樋口家に伝わる古文書を研究し、当時の本陣料理の再現をして非常に話題になりました。隔週欠かさず会の集まりもありましたし、リーダーとして大変だったと思います。
 庄司さんから、直々に会を継いでほしいと話があった時、この会を継続したい気持ちは当然ありましたが、私には彼女と同じことが出来る自信はありませんでした。しかし、会の皆さんと協力し合いながら、という条件で代表になってから、あっという間に13年も経ちました。今も皆さんと一緒に楽しく活動しています。そして単独の方でも気軽に入会できる雰囲気作りを皆で心がけています。
 庄司さんの思いを私が受けとめて、それが会の皆さんにもしっかりと伝わっているから、これだけ長く活動を続けられているのでしょうし、今後もこの流れはきっと残っていくと思います。


北上文化プラザ(北上公民館)

静岡県三島市萩312 TEL 055-987-5950


北上くらしのサロン(きたうえくらしのさろん)

- 略 歴 -

1984北上くらしのサロン発足。初代代表 庄司峯子
「北上郷(むら)の伝承集」発行
1985「心と健康伝承集」発行
1989三島市より「純正食品普及運動」を委託される。
1989「子供の健康を守るお母さんの手作りおやつ」発行
1993江戸時代の三嶋宿樋口家本陣料理を再現 郷土料理集「北上ふるさとの味」
ほか多数の冊子を発行している。
1994第8回地域文化活動奨励賞受賞
2001東海道400年祭で本陣料理を披露する
20012代目代表 馬場妙子(現在に至る)
「環境 ごみを考えよう」をテーマに活動
2001〜生活・食・環境などをテーマに毎年活動中
2002〜「三島のお土産何がいい?」をテーマに三四呂人形や三島茶碗、藍染めなどの普及活動を継続中
※教室開催日/毎月第2、4金曜日


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