» 島田鹿島踊保存会(しまだかしまおどりほぞんかい)|ふじのくに ささえるチカラ

島田鹿島踊保存会(しまだかしまおどりほぞんかい)

幾多の謎とともに300年続く伝統芸能
歴史を紐解き、子どもたちに継承する


しまだかしまおどりほぞんかい

島田鹿島踊保存会


会長 牧野 敦


取材日:2011/12/ 5

町内の子どもたちが主役の伝統舞踊

 300年以上の伝統を誇る島田鹿島踊。1957年、県指定無形民俗文化財登録と同時に保存会が発足し、現在は牧野敦さんが会長を務めている。
 鹿島踊は茨城県鹿島市から始まり、次第に伊豆半島西岸まで伝わったとされる。しかし島田鹿島踊との関係は定かではない。茨城から伊豆にかけての鹿島踊りと島田のそれとは衣装も異なれば、踊り方も異なる。島田においては1673年、蔓延していた疫病の除去祈願のため市内にある春日神社に奉納されたのが始まり。春日神社は大井川氾濫を鎮護する祭神を祀る大井神社境内にある。数十年後にはその大井神社を中心に行なわれる日本三奇祭の一つ・島田大祭の行事としても披露されるようになった。加えて毎年6月第1日曜日に開催される春日神社例祭での奉納が、主な舞台となっている。
 踊りの隊列は町内の小学生から大学生までで形成される。扇と鈴をもち、木綿襷(ゆうだすき)を掛けて踊る「三番叟(さんばそう)」、お鏡(ひしゃくとも呼ばれる)をもって踊る「お鏡」が各1名。竹ささらと棒ささらで疫病を祓う「ささら」、太鼓を打って踊る「つつみ」が各3名の計8名を一組とし、2組で行進する。演奏隊である楽人は大人が担い、三番叟が踊り始めてから演奏する。
 保存会にとって、隊列を組む小学生や中学生に対しての指導・伝承が活動の根幹だ。彼らに島田鹿島踊を教わった児童が中学生、高校生になっても行事に参加し、やがて保存会会員として子どもたちを見守る側となり、伝統が継承されている。茨城鹿島踊とのつながりなど歴史的背景に関しては牧野さんが文献を調べ、研究を続けている。歴史の解明につながれば、市民の関心は更に高まるだろう。


以下、インタビュー

1. 島田鹿島踊の歴史

島田での発祥、踊り子の衣装、舞の形式…
未だ謎の多い歴史を紐解いていく

 鹿島踊は茨城県鹿島市の鹿島神宮から始まり、房総半島南部、伊豆西海岸へと伝わりました。沿岸部でもない島田で発祥した理由や鹿島信仰との関連は不明で、さまざまな文献で調べている段階です。三番叟の衣装も本家の白装束とは違うし、腰を落として後ろ向きに踊り進む所作も特有のものです。
 発祥の地は当時島田宿の中心にあった春日神社でした。推測の域をでませんが鹿島信仰との関連は薄く、多くの文化芸能と地元の文化が融合したのだと考えています。大井川の氾濫で足止めされた旅人によって、お国自慢や芸能、物品の流行が島田宿に蓄積され、本来の鹿島踊から形態が変化していったのではないか、と。
 以前は、取材などで島田鹿島踊に関して尋ねられてもわからず、お答えできないことが多かった。島田鹿島踊を知っていただくためにも歴史をひも解く作業は不可欠であり、それが私の務めだと思っています。

2. 小学4年生からのチーム作り

町内の小学校に出向いて講話と舞踊教室を開講

島田市立第三小学校とは昔からご縁があって、鹿島踊と島田大祭についての講話を年1回1時間ずつ、各学年に行ってきました。舞踊教室も開講しており、その成果を運動会で披露してもらっています。第四小学校でも6年生向けに勉強会をしています。
 踊り子は小学4年生から高校生を選抜し、そのチームで3年間続けます。選抜条件は親御さんが保存会の会員で、島田大祭に関わっていること。年齢層が低いため、親御さんのサポートが不可欠なのです。この仕組みを継続して保存会が成り立っています。

3. より多くの機会を求めて

「自らが動く」をモットーとし積極的にPR
披露の場と市民の認識を広めて活動を維持

 保存会の発足が約30年前で、会員は200名ほどになります。私は会員から要請されて会長を務めてきました。任期が3年で、現在4期目になります。
 以前の保存会としての活動は、島田市などからの要請があって初めて腰をあげるような状況でした。年に1度か2度の行事です。あるとき「これでは廃れてしまう」と感じましたね。活動の場が少ない踊り子はモチベーションを維持できない。
 今は「自らが動く」をモットーに、活動の機会を広げるための努力をしています。島田市博物館、島田市観光文化課、島田市教育委員会、大井神社などに積極的に訪問し、PRを続けてきました。次第に踊りを披露する機会も増えてきて、自分たちから行動を起こすことの重要性を実感しています。
 約340年間、人から人へと伝承している伝統芸能を絶やすわけにはいきません。島田鹿島踊は家族、そして町内で守ってきた文化です。


島田鹿島踊保存会

島田市本通六丁目、島田市南町 <連絡先> TEL 0547-35-0274(牧野)


島田鹿島踊保存会(しまだかしまおどりほぞんかい)

- 略 歴 -

1957島田鹿島踊保存会 発足
毎年6月第1日曜 春日神社・例祭での奉納踊
 3年に1度 島田大祭での奉納踊
 島田市立第三小学校での講和、舞踊教室を開講
 島田市立第四小学校での歴史教室を開講


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