- 略 歴 -
2007 | 知半アートプロジェクト始動 第1回 尺八と声の競演コンサート「竹の声、人の笛」 |
2008 | 第2回 日米ンテンポラリーダンス IZU HOUSE:伊豆の家 |
2009 | 第3回 地無し尺八二本のコンサート「江戸の尺八、時空を翔ける」 |
2010 | 第4回 木彫作品展「記憶 素子 storage element」 |
2013 | 第5回 日米共同「果報は寝てまて」コンサート(フルート&コントラバス) +音の展覧会(自然の音&笙・三味線・パーカッション・尺八など) |
取材日:2013年08月09日
最初、この伊豆の地でこの取り組みがどれほど受け入れられるか未知数でした。「知半アート」の皮切りコンサートには、以前、他の場所で聞いた時、その音色と彼の曲の作り方に魅力を感じた、米国人尺八奏者のクリストファーさんと、ヴォイスのきむらみかさんに出演をお願いしました。
クリストファーさんは、知半アートの魅力を、「従来の邦楽コンサートとは異なり、尺八を始めて聴く地元のシニアから、琴を習う大学生、都会の若いパンク青年まで幅の広い観客が各地から訪ねて来てくれることが、本当に嬉しい」とコメントしています。
伊豆は、歌舞伎役者や多くの作家、画家など文化人たちが逗留した日本の最初のリゾート地でした。また「知半庵」は、下田の米国領事館から江戸に向かう時、ハリスが通った旧下田街道沿いに建っています。この土地には、異文化交流、文化交差のバックボーンがあるのです。異なる環境や文化背景を持つ人々がこのイベントに集まり、言語や人種の違いを超えた時空を作り、伊豆からそれを発信していきたいのです。
最初の2回のイベントに手応えを感じましたので、第3回目からは、伊豆の国市に後援をお願いし、市長さんもそれから毎回出席してくださいます。今年、初めて静岡県文化財団に後援申請をしましたが、行政からの精神的な支援は主催者として嬉しいです。
遠方から来てくださる方々には、アートだけでなく、アーティストとの交流、家の空間、孟宗の竹やぶなどの裏庭などをゆったりと楽しみ、伊豆の魅力を感じていただきたいと思います。そして地元の方にも、身近な場所と安価な入場料で気軽に興味深い芸術やアートに触れることが、伊豆でも可能なのだと伝えたいのです。
この周辺が田中村と呼ばれていた大正時代、村長を務めていた私の曽祖父、菅沼荘治によると、当時の中伊豆は大変に貧しかったそうです。彼はそういった状況下でも教育と文化が大切だと訴え、例えば、女子の寺子屋教育や、文化領域に力を注いだと聞いています。芸術に触れることが、気軽にできるような感覚や装置を、この家を活用して作っていきたいのです。アートや文化は都会のものだけではありません。地元に新しい魅力を創りだすことができたら幸いです。
2007 | 知半アートプロジェクト始動 第1回 尺八と声の競演コンサート「竹の声、人の笛」 |
2008 | 第2回 日米ンテンポラリーダンス IZU HOUSE:伊豆の家 |
2009 | 第3回 地無し尺八二本のコンサート「江戸の尺八、時空を翔ける」 |
2010 | 第4回 木彫作品展「記憶 素子 storage element」 |
2013 | 第5回 日米共同「果報は寝てまて」コンサート(フルート&コントラバス) +音の展覧会(自然の音&笙・三味線・パーカッション・尺八など) |