七間町このみる劇場
静岡市葵区七間町11-5 イマココ3F 054-269-5898

- 略 歴 -
2008 | 劇団渡辺が寿町倉庫の利用開始 |
2008 | 寿町倉庫の企業による使用中止決定 寿町倉庫存続運動「ブキッチョプロジェクト」の開始 |
2008 | 施設名を「アトリエみるめ」とし、運営法人を登記 |
2015 | 活動拠点を静岡市中心地の「七間町このみる劇場」に移す 『四川の善人(作:ベルトルト・ブレヒト)』こけら落とし公演 |
取材日:2016年02月25日
もともと文学を志していた僕が演劇に傾倒していったのは、文学の普遍性に比べて、その場にいないと味わえない対面芸術の祝祭的なおもしろさに魅力を感じたからでした。演劇は複製ができないものです。だからこそ劇場も稽古場も大きな意味をもちます。ただ、演劇は大きな音も出ますし、多くの人が集まるため、賃借には制約があります。正直、稽古ができて発表ができるアトリエみるめのような場所は、街中ではなかなか見つからないのでは、と思っていました。
ところがいろいろな縁が重なり、恰好の場所とめぐりあいました。街中の古いビルのオーナーが代わり、リノベーションして若い人が集まる場所にしたいという話が舞い込んできたのです。七間町このみる劇場がある場所は3階の元ディスコ。とにかく広いし、10年くらいそのままになっているし、なかなか借り手が付かなかったようです。しかし劇場にはぴったりでした。仲介の不動産屋さんは寿町にアトリエみるめの公演を何度も観に来てくれた人。「寿町は観に行くのにちょっと遠いから、街中にも拠点を持ったら?」という軽い提案が本拠地を移すまでになるとは、その人も僕も想像していませんでした。
現在、静岡市には小劇場がほとんどないため、カフェに場所を提供してもらって公演する劇団もあります。七間町このみる劇場は、その点でもちょうどいい規模の劇場。全国の若手や中堅の劇団に声をかけ、いろいろな公演が観られる劇場にしたいと考えています。ここが静岡の演劇のハブになり、いろいろなことにつながっていけばいい。演劇祭もやりたいし、いずれは地元静岡のはえぬきの役者やスタッフで静岡オールスターの舞台を行いたいと思っています。特にこれからの2年間は、積極的にいろいろなことをするつもりです。
演劇が映画やテレビと違うのは、目の前で行われ、役者も観客も生身同士ということ。演劇だからとかしこまらないで、演じる者も観客も、同じ時間と空間を共に楽しみたい。僕たちは2014年に6時間30分もの公演を行ったことがあります。途中でお茶会、夕食会を舞台上で行い、そのタイミングで、お客さんにもお茶やお酒を振る舞ったりして、その一体感は非常に得がたいものでした。その場を共有して、双方向に楽しめるのは演劇ならではだと思います。
観劇の前後に語り合う場所があるといいなと思い、ワンフロア下に「劇場酒場Pinspot」という名のバーを設けました。ここは公演がなくても開いていて、常に劇団関係者がいるサロン的なところ。SNSなどネットでも情報は出回りますが、決まったばかりの最新情報はここが発信源になると思います。終演後に、役者も観客も笑って酒を酌み交わせる場所です。
アトリエみるめで活動している頃から10年ひと区切りと考えて、その後は街中に出て来たいと思っていました。倉庫の管理会社の売却で、それが4年と予想外に早くなってしまいましたが、それも人生の挑戦の一つだと思います。これから七間町このみる劇場というハコで、舞台演出と劇場運営、アーティストの交流など演劇活動を総合的に手がけていきます。ここがプレミアムな場所になるように精一杯のことをしていきたい。好みの演劇を見つけにぜひ来てください。
静岡市葵区七間町11-5 イマココ3F 054-269-5898
2008 | 劇団渡辺が寿町倉庫の利用開始 |
2008 | 寿町倉庫の企業による使用中止決定 寿町倉庫存続運動「ブキッチョプロジェクト」の開始 |
2008 | 施設名を「アトリエみるめ」とし、運営法人を登記 |
2015 | 活動拠点を静岡市中心地の「七間町このみる劇場」に移す 『四川の善人(作:ベルトルト・ブレヒト)』こけら落とし公演 |