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国際陶芸フェスティバルinささま実行委員会

知名度が上がり来場者も年々増加
山間部の集落で開かれる世界的な陶芸の祭典


こくさいとうげいふぇすてぃばる・いん・ささま じっこういいんかい

国際陶芸フェスティバルinささま実行委員会


陶芸家・アートディレクター 道川省三


取材日:2016年02月26日

山あいの集落に世界的な陶芸アーティストが集結

 島田市川根町の笹間地区で2年に一度行われている国際陶芸フェスティバル。大井川の支流笹間川の上流に位置する島田市川根町の笹間地区は、人口約500人ほどののどかな山あいの集落だ。2011年の第1回目の開催では、そこに世界に名だたる陶芸家が北米、ヨーロッパ、アジアから17名も駆け付けた。国内の若手作家も50名ほど参加し、日本、いや、世界でもたぐいまれな陶芸の祭典が行われることとなった。期間中はメインの道路が土砂崩れで通行止めになっていたにもかかわらず、期待に満ちた1,500人もの陶芸ファンが訪れたという。
 開催にあたり求心力となったのが、日本を代表する陶芸作家の道川省三さん。道川さんがアートディレクターとなって、地域の住民や県内のアート支援、まちづくり支援をする人たちとタッグを組み、フェスティバルを推進した。世界中の陶芸家を招聘できたのは、道川さんの力、アーティスト同士の日頃の親交によるところが大きい。
 2013年に行われた第2回目では21名の外国人作家が参加、1回目を遥かに超える約4,000人の来場者があった。デンマークの作家ニーナ ホールさんが笹間に3週間滞在してオブジェの制作と焼成を行い、地域の住民や参加者と親交を深めたことも記憶に新しい。トップアーティストが惜しげもなくテクニックを解説するワークショップには若手の陶芸家が参加し、刺激を受けるようすが見受けられた。各人のSNSを通じ、その感動は世界中に発信されていった。
 3回目となる2015年のフェスティバルでは、さらに25名の作家が参加、来場者は4,500人に上る。過疎化が進み、廃校となった小学校の教室を舞台に、陶芸フェスティバルは大きく花開いた。現在では陶芸家が共同で使える窯も完成し、海外アーティストが長期滞在できる空き家や茶部屋(製茶工場)を利用したアーティスト イン レジデンスの準備を行っている。フェスティバルの成功に留まらず、笹間が国際的な陶芸の聖地になる日も近い。

笹間風景空き家での招待作家作品展示風景 (2013)Claudia Alvarez滞在製作中風景 (2015)ささま食堂 (2013)陶芸フェスティバルオープニングパーティー (2013)


以下、インタビュー
Claudia Alvarez滞在製作中風景 (2015)

Claudia Alvarez作品展示風景 (2015)笹間中学校展示風景 (2015)笹間神楽x道川省三 コラボパフォーマンス (2014)

1.陶芸フェスティバルを3回実施して

実はアートと相性のよい里山でのイベント
陶芸家や多くの来場者、地域住民の交流がメイン

 国際陶芸フェスティバルの発端は、金谷にいる知人との縁でした。徐々に静岡に知り合いが増え、そこで笹間小学校の閉校を知り、地域活性化のためのアイデアを求められたことがフェスティバルに発展しました。森に囲まれ、きれいな水が流れる川を見て、ここで陶芸家を集めたイベントができたらいいのではないかと思ったのです。陶芸家の多くは騒がしい街中ではなく、人が多くない自然の近くで活動している人が多いので、その点でも笹間にはぴったりでした。
 陶器の産地にはいろいろなイベントがありますが、その多くは商業ベースで販売目的のもの。笹間のフェスティバルはそうではなく、陶芸家同士、また、陶芸家と地域住民、来場者の交流を主体としました。結果、人口500人ほどの町に、1回目は約1,500人、2回目は約4,000人、3回目は約4,500人もの来場者が集まり、賑わうイベントになりました。
 バーナード・リーチの例を挙げるまでもなく、日本にはやきものの伝統と文化があり、世界の陶芸家にリスペクトされています。海外の陶芸家に声をかけたところ、1回目は17名、2回目は21名、3回目は25名の一流アーティストが駆け付けてくれました。これほどのイベントは日本では他にはありません。

Nina Holeオブジェ作品焼成パフォーマンス写真 (2013)

Nina Holeオブジェ作品焼成後 (2013)海外セレクション作家展示風景 (2015)

2.ニーナ ホールさんを迎えて

欧米に加え、アジアやロシアの陶芸家も参加
2回目はニーナ ホールさんの土と炎の芸術が

 参加するアーティストの顔ぶれも回を重ねるごとに多彩になりました。私自身、招待されて海外のさまざまな国に滞在し、そこで顔見知りになったアーティストに声をかけることも多いのです。
 2回目のフェスティバルの最終日を壮大な芸術で飾った、デンマーク出身のニーナ ホールとは、約10年前、アメリカのカンファレンスで招待作家同士として出会いました。笹間のフェスティバルのことを伝えると「日本に作品を残したい」といって、病身の中、参加してくれたのです。
 彼女のオブジェは巨大で、野外で製作し焼成します。この時も3週間前から笹間に滞在し、フェスティバル最終日には土と炎の芸術が披露されました。彼女のオブジェは、イギリス、ドイツ、母国のデンマークを始め、世界各国にありますが、日本では笹間のみ。素晴らしい作品を地域に残してくれました。

笹間風景

Marcello Pucci滞在政策中風景 (2015) *茶部屋工房にて茶工場茶会風景 (2015)茶工場茶会会場外風景 (2015)

3.これからの笹間とアート

2015年は「うらっち美術館」。
笹間に住まうアーティスト イン レジデンスも

 2015年、第3回フェスティバルは「うらっち美術館、開演」と銘打ちました。「うらっち」とは笹間の言葉で「私たち」。世界中から集まった作品や陶芸家だけでなく、川のせせらぎや、色鮮やかに紅葉する木々、茶畑など、舞台となる笹間の里山の風景と、地域に暮らす人々も、うらっち美術館を彩る作品だという思いを込めました。
 笹間の空き家や茶部屋(製茶工場)を利用したアーティスト イン レジデンスの試みも行いました。茶部屋はもともと茶葉を乾燥させる構造で、陶芸にも非常に向いています。母屋があり、アトリエ(茶部屋)がある。読書をしてもいい。川に散歩に出かけてもいい。笹間を拠点にして日本を旅してもいい。
 アーティストが長期滞在できる設備を整え、ゆくゆくは笹間が陶芸の聖地になればと考えています。陶芸の産地ではないからこそ、自由に発展する可能性があります。世界でも存在感を示す町になることができると思います。


島田市山村都市交流センター ささま

島田市川根町笹間394 0547-54-0661


国際陶芸フェスティバルinささま実行委員会

- 略 歴 -

2009閉校となった旧笹間小学校が山村都市交流センターささまとしてオープン
2011第1回「国際陶芸フェスティバルinささま」開催
2013第2回「国際陶芸フェスティバルinささま」開催
2014笹間神楽と道川氏がArt Ceram(フランス、セーブル市)にて陶芸作品作りの共演
豊かなむらづくり事業 農林水産大臣賞を受賞
スイスから講師を招いて楽焼のワークショップを開催
2015第3回「国際陶芸フェスティバルinささま」開催
2016 ふじのくに美しく品格のある邑 知事顕彰賞 受賞
第29回地域文化活動奨励賞 受賞


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