アトリエみるめ
静岡市駿河区寿町12-21 TEL 054-289-1161(一般社団法人 静岡アート支援機構)

- 活動実績 -
2002 | 企業がアマチュア劇団支援のために寿町倉庫の部分的開放を開始 |
2008 | 劇団渡辺が寿町倉庫の利用開始 |
2010 | 寿町倉庫の企業による使用中止決定 |
寿町倉庫存続運動「ブキッチョプロジェクト」の開始 | |
2011 | 施設名を「アトリエみるめ」とし、運営法人を登記 |
取材日:2011.12.1
演劇の道は大学のサークル活動から始まりました。やっていくうちにどんどんのめり込んでいき、内定していた就職先も蹴って演劇一本にしぼりました。アマチュア劇団員のほとんどが他に仕事をしながら続けており、僕もそのひとりでしたが、生活第一・演劇第二にはしたくなかった。演劇を第一に考えたかったのです。今思えば若気の至りですね。
大学を中退後、静岡県舞台芸術センター(SPAC)や照明会社などでアルバイトをしながら、芝居の稽古もしていました。他のメンバーは大学サークルで知り合った者たちが多いです。2004年に劇団渡辺として旗揚げして地道に続けていくうちに、寿町倉庫で活動していた劇団らせん劇場さんから「一緒にやらないか」とお誘いを受け、2008年から利用し始めました。寿町倉庫は元メッキ工場の2階建てということで天井が高く、資材搬入時に車両ごと乗り入れられるなど、自由度の高さを感じました。
寿町倉庫は舞台芸術を披露する者として、手放したくない場所でした。アマチュアの場合、主に公民館やどこかの会議室を借りて稽古します。野外などで公演するときにその成果が100パーセント出せるかというと、難しい。稽古場の空間に制約があるためです。天井高が4メートルもあり、走りまわれる、声を張りあげられるこの場所で稽古できるのは、役者にとって望ましいことでした。公演の際はお客様との距離が近くなり、演じながらお客様の反応を見られるのが醍醐味です。
ここを訪れた方に「手強いけれど、とてもいい空間だね」と、言われることがあります。一見粗野で殺風景なこの場所で創られたものは、劇中の歴史や人々の変遷を感じさせたり、味を感じさせたりしてくれる。演者としてこのうえない舞台であり稽古場です。10年間支援してくれた企業への感謝もあり「ブキッチョプロジェクト」を開始して、私が賃借することになりました。
寿町倉庫を現在の名称に変えたのは、以前とはまた違う流れを作りたかったからです。もっといろんな人たちに広く利用してもらって、もっと力のある場所にしたい。この空間はそうなる可能性を持っていると確信していました。自分たちがやりやすい場所だから法人まで作って、お金を集めて存続させるのか?という自問もあったのです。
アトリエみるめの目的は演劇のみならず音楽や美術、映像といった芸術の拠点として機能すること。「あの作品の元をたどると、アトリエみるめで作られたものだった」というような。ここを芸術の発信地にしたいのです。
これまで常連の2つの劇団以外にも2つのSPAC県民劇団、大道芸のステージ企画、インディーズ映画の撮影やシンポジウムなどが行われてきました。まだ半年足らずですが、活動の手ごたえを感じています。
最低10年の施設運営計画のもと、町の劇場文化を活性化させる場所になるよう期待しています。
静岡市駿河区寿町12-21 TEL 054-289-1161(一般社団法人 静岡アート支援機構)
2002 | 企業がアマチュア劇団支援のために寿町倉庫の部分的開放を開始 |
2008 | 劇団渡辺が寿町倉庫の利用開始 |
2010 | 寿町倉庫の企業による使用中止決定 |
寿町倉庫存続運動「ブキッチョプロジェクト」の開始 | |
2011 | 施設名を「アトリエみるめ」とし、運営法人を登記 |