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エガコウヤ(えがこうや)

地下街の壁を明るく楽しく模様替えさせた
紺屋町地下商店街発信のアートプロジェクト


えがこうや

エガコウヤ


実行委員 大原 明士:左
画家 ロッソ:右


取材日:2011.12.5

「エガコウヤ」で紺屋町地下街に明るく賑やかな風を送り込む

 地下街を歩くとき、地上よりもゆっくりになるか、早足になるか? 通路だと思って歩く人は、心持ち足が早くなるのではないだろうか。その足を何とか引き止めようと、デパ地下やそこに並ぶ商店街が地下に楽しそうな賑わいを作りだす。車が通らずいつでも歩行者天国の地下街が、地上とは全く別の商業ゾーンとなっているところも他都市にはある。
 静岡駅前につながる紺屋町地下街は、通路幅が狭いという問題や過去に起きた事故から、人が集まることに対して厳しい地下街条例の規制を受けている。そのため、地下街を賑やかにする手段がなかなか見つけられずにいた。平成15年静岡駅前再開発の工事が始まり、その対応のため地下商店街の店主たちが集まる機会が増え、地下街振興への意見も活発に交わされるようになった。工事の壁によって地下街が暗いイメージになったり、人通りが少なくなったりしないよう、自然に賑わうようなイベントをしたい、どんなことなら可能なのか、さまざま模索するなかで挙がってきたのが壁面アートだった。壁面アートなら工事の壁を利用することもできる。
 行政の特別許可が下り、コアメンバーによるエガコウヤ実行委員会が発足した。紺屋町地下商店街店主の大原明士(あけし)さん、行政とのパイプ役となった市議会議員の宮沢けいすけさん、画家のロッソさん、他にも設計士や企画マンなど異業種の仲間が実行委員役となって準備を進めた。こうして紺屋町地下街アートプロジェクト「エガコウヤ」は3回に分けて実施され、壁に色塗りした子どもたちは忘れられない体験ができ、紺屋町には明るく楽しい地下街誕生という素敵な成果ももたらした。





以下、インタビュー

1. 「エガコウヤ」に込められた思い

染物師の町だった紺屋町から
アートを発信し、地下商店街に活気

 紺屋町の町名は、江戸時代の初めに染物師の町として整備されたことに由来しています。染物屋のことを紺屋といいますからね。その昔、意匠を凝らした染物が並んだ紺屋町はアートな雰囲気の町だったのじゃないかと思います。エガコウヤは、絵を描こうよという呼びかけと紺屋(こうや)をひっかけた言葉です。規制に触れずに地下商店街でできることを模索していた時に、宮沢さんから壁面アートの話を提案されたんです。紺屋町からアートプロジェクトを発信するって、ぴったりじゃないかと思いました。
 実行するまでにはコアメンバーが何度も会議を重ねて準備しましたし、麻機幼稚園にお願いして事前のシミュレーションもしました。大変だったのはロッソさんです。下絵はロッソさん一人で描くので、仕事が終わってからこちらに来てもらい、夜の8時から夜中の12時くらいまでかけて線画を書いてもらいました。それが2週間ほど続いたんじゃないでしょうか。

2. 第1弾の反響とワークショップ

ロッソさんと子どもが描くアニマルワールド

 イベントはターゲットを幼稚園児、保育園児の年中、年長さんにして、簡単な決め事を作って進めました。3回に分けて実施しましたが、子どもたちは本当に楽しそうに色を塗っていましたね。集まった子供全員が参加できるようにしたので、早く終わってしまうと手持無沙汰になってしまいます。第1弾で気が付いたので、第2弾からは親子で作れる絵本などのワークショップを用意しました。こちらも大変喜んでもらえました。




3. 壁画の今後とプロジェクトの成果

街ぐるみで取り組むアートイベント
普通に街の中でやってしまう素晴らしさ

 今回のこのプロジェクトは地下道の改修工事の壁の利用と、特別許可があってできたものです。工事が進んで壁が覆われると壁画は隠され、工事完了と共に全部なくなってしまいます。それは残念ですが、このプロジェクトは街ぐるみでアートに取り組めたこと、普通に街の中でアートイベントが出来たことが、結果として素晴らしい成果だったと思います。壁面アートの文化は欧米にはありますが、日本にはありません。むしろ若者のファッションとして捉えられています。今回のプロジェクトが紺屋町という場所で行われたことで、さまざまな年齢層のたくさんの人の目に触れることができました。描き上がった絵だけでなく、それを描いているときの子供たちの生き生きした様子も見てもらえたと思います。地下街を通るのが楽しくなった、明るくなったという意見もいただきました。エガコウヤが成功したことで、このようなアートプロジェクトが他の街にも広がっていくと思います。

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エガコウヤ実行委員会

静岡市葵区紺屋町3-6 <連絡先> TEL054-221-7066(大原)


エガコウヤ(えがこうや)

- 活動歴 -

2010市議会議員の宮沢けいすけさんより壁面アートの提案
6月からコアメンバーの話し合い。実行委員設立
行政側と打ち合わせ。商店街側話し合い、説得
9月に画家のロッソさんが参加し、イベント内容を提案
10月から壁の白塗り開始
11月に下絵描き。ロッソさんの徹夜が続く
12月11日、12日にイベント第1弾。参加者300名以上
20113月に第2弾実施。ワークショップ大好評
5月に第3弾実施。ワークショップ大好評


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