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西伊豆ガラス作家の会(にしいずがらすさっかのかい)

移住した作家達が定着して始めた灯りの催し
地元への感謝も込めてガラス文化を伝える


にしいずがらすさっかのかい

西伊豆ガラス作家の会


ガラス工房FARO 五木田淳子:左
GORILLA GLASS GARAGE 生島賢:左から2番目
グラス・アルス 鹿住雅子:右から2番目
ライトボックス 井田未乃:右


取材日:2011.12.22

賀茂村への感謝から開催したキャンドルナイト

 2005年に西伊豆町と合併するまで存在した賀茂村には、ガラスの主原料になる珪石の産地として60年以上の歴史があった。1988年、過疎化を憂慮した村役場は地域おこしのため村を「ガラス文化の里」と位置づけ、その第一歩として黄金崎クリスタルパークを設立。1995年からはガラス作家の定住支援事業を始めた。その頃に県外から移住してきた作家が中心になって西伊豆ガラス作家の会が編成された。
 現在は五木田秀幸・淳子さん夫妻、生島賢・明水(はるみ)さん夫妻、辻晋吾・井田未乃(みの)さん夫妻と鹿住(かずみ)雅子さんの7名が在籍。賀茂村、そして西伊豆町をガラスの町としてPRするために合同でイベントを行ってきた。その一つがキャンドルナイトで、各工房がオリジナルで制作した多数のガラスキャンドルホルダーに灯りを灯す。同会で企画し、賀茂村の名が消える前の年にあたる2004年に初めて開催された。
「町村合併が決まったとき、お世話になった村の人たちになにかできることはないかと考え、メンバーでの話しあいのなかでこのアイデアが浮かんだ」というのは五木田淳子さん。五木田さん夫妻は村の支援のもと、会員のなかで最初に賀茂村に移住してきた。移住して工房を建てるにあたっては絶え間ない苦労があり、村の人たちに助けられてきたという。作家達はその感謝の気持ちを表すため、毎年新作のキャンドルホルダーを制作してきた。現在その作品数は400個以上に達しているという。
 町の人々を楽しませるだけでなく、市外、県外各地で年に数回展覧会も開催する。賀茂村時代に始まった「西伊豆はガラスの町」というイメージを定着させる活動。10年間続けたことでガラス文化の発信地として誇れる存在となった。






以下、インタビュー

1. 賀茂村との出会い

豊かな自然と村民の温かな人柄に惹かれ定住
「ガラスの町・西伊豆」のアピールを続ける

五木田淳子:「ガラス文化の里づくり」という賀茂村の事業の一環で、若者定住促進の融資制度ができ、村の人たちの人柄や自然豊かな環境にも惹かれて移住を決断しました。私たち夫婦が制度を利用して移住した最初の作家で、その後も何組かのガラス作家が県外から移ってきました。2002年に初めて合同開催した展覧会を機にこの会が編成され、現在まで続いています。
 移り住んだ頃、最初の1年半ほどを築炉に要しました。その間アルバイト等で生計をたてていましたが、村の人たちが野菜をくれたり魚をくれたりして、とてもよくしてくださったのを覚えています。キャンドルナイトは、お世話になった人たちへのお礼を形にしたものです。
 他所の人たちにもこの町の素晴らしさを伝えようと、毎年数回、グループ展を各地で開催し、あわせて西伊豆町の宣伝もしてきました。ガラス作品をとおして西伊豆の良さを知っていただき、多くの人に訪れてほしいです。

2. キャンドルナイトの意義

ひとつひとつに想いが灯るキャンドルホルダー

辻晋吾:陽が落ちるのが早く、覚えてもらいやすいという理由で、キャンドルナイトは毎年冬至の日開催と決めています。冬の黄金崎はこういった行事が少ないものですから、ちょうどよかった。規模の大小ではなく、僕たちのキャンドルナイトはすべて手作りだということに価値があると思っています。ひとつひとつ、ガラス作家の手仕事によって生まれたキャンドルホルダーのともしびで、ささやかながらも地元の方たちの気持ちがあったかくなってくれればと思っています。




3. わたしたちだからできること

400個以上の手作りキャンドルホルダー
会による活動だからこそできるイベント

生島明水:会の活動でいちばん良かったことは、キャンドルナイトができたことです。皆作家として個々の制作活動があり、作風や価値観もそれぞれに異なります。しかし互いに尊重しあい、高め合うことができるのがキャンドルナイトなのです。初開催の時から少しずつ数を増やしたキャンドルホルダーは今では400個以上になりました。これだけのものをひとりで制作してならべ灯をともすのは、きっと難しい。それぞれ作風の異なるものを訪れた方に楽しんでいただけるのも、会の活動だからこそです。
 自分たちで始めたイベントですが、当日は役場の方も応援に駆け付けてくれて、机や椅子を運んでくださったりしています。10年前も今も、町の人たちのこういった協力があったからこそ、わたしたちの活動の場があるのです。訪れてくださる方も毎年少しずつ増えており、続けることの大切さを実感しています。

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西伊豆ガラス作家の会

賀茂郡西伊豆町宇久須 


西伊豆ガラス作家の会(にしいずがらすさっかのかい)

- 活動実績 -

2002賀茂村ガラス作家10人展 出品(静岡県清水市)
2003賀茂村ガラス作家展 出品(静岡県浜松市、東京都渋谷区渋谷など)
2004賀茂村ガラス作家展 出品(東京都中央区銀座、西伊豆町など)
キャンドルナイト(静岡県賀茂郡西伊豆町)
2005西伊豆ガラス作家展(静岡県掛川市・三島市)
2006(以降毎年)各地で作家展開催、西伊豆町でキャンドルナイト開催
2011西伊豆ガラス作家展(岐阜県岐阜市、埼玉県埼玉市、静岡県磐田市など)
キャンドルナイト(静岡県清水市・賀茂郡西伊豆町)


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