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するがクリエイティブ(するがくりえいてぃぶ)

伝統工芸における異業種の相互刺激によって
静岡の和の技術をより深いものへ発展させる


するがくりえいてぃぶ

するがクリエイティブ


代表 吉永卓裕(吉永畳店):中
会員 青島雅子(青島):左
会員 碓田信之(木工Tsuwabuki):右


取材日:2011.11.30

新たな価値を創造する伝統技術の継承者たち

 静岡市地域産業課の提案で、伝統工芸の後継者育成を目的に20年前に編成された「するがクリエイティブ」。漆芸や染物、陶芸、木工、蒔絵など、静岡県在住の技術者が在籍し、現在16名で活動する。代表任期は2年で、2011年現在は静岡市葵区籠上にある吉永畳店の主、吉永卓裕さんが代表を務めている。
 それぞれ現役で仕事を続けている師匠がいて、現在も修行中の会員が多い。後継者に会員の役割も引き継ぐことでメンバーを入れ替えながら、20年にわたって活動を続けてきた。生産量が日本で1、2を競う家具や、駿河竹千筋細工、駿河藍染など、静岡が誇る「和」の物づくりをささえる一翼を担ってきたと言ってもいい。
 同団体での活動の大きな特色は、異業種間による交流だ。陶芸師同士、蒔絵師同士など同じ業種の技術者だけで活動するのとは異なるメリットがある。「人の作品や考えに対して言いたいことが言える。内容によっては、異業種の方からの意見をもとに新しい発想が生まれることもある」と、会員が口をそろえる。月に1度、県立南部図書館で開く会合が意見・情報交換の場となっている。
 常設展示コーナーが静岡市内に2箇所あるほか、駿府公園巽櫓(たつみやぐら)、松坂屋などで年に数回、展示会をする。竹細工師と染師がコラボレートしたタペストリー、畳店と木工家具店で共同制作した畳など、異業種の組み合わせだからこそ生み出せる作品が並ぶ。「伝統文化を継承していくのはもちろんだが、より新しく深い技術、作品づくりを探求していくことも僕らの仕事」と吉永さんは言う。
 以下のインタビューは吉永さんをはじめ、駿河藍染を継承する前代表の増田雅一さんなど、「和の匠」数名に伺ったもの。






以下、インタビュー

1. 増田雅一/増田あいぜん工房

他の工芸に関しての知識を吸収し、
自らの技術に昇華することができた

 1991年の結成から籍をおいています。私個人は、70年続く駿河藍染の工房の3代目で、師にあたる2代目も現役の職人です。
 するがクリエイティブにおける最も大きな成果は、他の工芸に従事する者の知識とか作り方を学んで、自分の専門分野に昇華できたことですね。絵師なら絵を書いて終わり、とんぼ玉なら玉の部分を作って終わりではなく、使う人の手に渡る最終製品になるまで関わっていく。それによって、自分の作品に触れる人との距離が近くなります。そういう技術者を増やしていくことが課題でもありますね。過去の展示会で飾られた「畳のベッド」のように、異業種の職人がコラボレートできることも大きな強みです。「伝統の融合」とでも言うかな。
 この会は各業種の後継者で活動してきた、いわば若旦那の会のようなもの。現代の人々の生活空間を若者の感性で飾っていきたいですね。

2. 岡部潔/工房リーフ

活動を通し、人の欲しているものがわかった

 僕らのような技術者は、必然的に内へこもることが多い。この会に入り、展示会に出展して実演しながらお客さまと話すことで、人が何を欲しているのか知ることができました。僕はとんぼ玉を作りますが、単体で提供するだけでなく、お客様が欲しい商品として組みたてるところまでやっています。
 昔であればこの世界は、作業を人に話したり見せたりすることなどありえない、閉鎖的なものでした。でも外に開いたことで見えてくるものもあったと思います。




3. 吉永卓裕/吉永畳店

常に新しいことに挑戦し、生み出すこと
会の活動のなかでその勝負ができる

 私は大学時代に考古学を学び、その関係で海外を見てまわったことがあります。当時は、家業である畳のことはあまり興味を抱いていませんでした。ところが、南米を訪れたときに民芸品であふれた住民の生活を目にし、思わず、いいなあと感じたのです。そして「自分の家にもあるじゃないか」と思い至りました。以来家業に精をだし、自分がより勝負できる場所が欲しくて、7年前に参加しました。
「常に新しいものに挑戦することがクリエイティブではないか」と、日々感じており、その勝負ができるようになりました。会員の家具屋さんと共同制作したもので、伝統工芸コンクールの賞を獲ったものもあります。
 常設展示コーナーでは、私どもの作品を気に入ってくださっている、海外のお客さまの姿も見ることができました。これからの展望として、世界の人たちにも我々の作品を届けたい、そう思っています。

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するがクリエイティブ

静岡市葵区籠上15-6 TEL 080-3072-9038(吉永)


するがクリエイティブ(するがくりえいてぃぶ)

- 活動実績 -

1991静岡市後継者育成事業の一環で設立
1992団体の名称を「するがクリエイティブ」とする
以後毎年数回の展示会を開催
1月:松坂屋 静岡店
2月:遠鉄百貨店
10月〜11月:駿府楽市 駿府匠宿 駿府公園巽櫓 等


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