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こどもアートスタジオプロジェクト(こどもあーとすたじおぷろじぇくと)

正解のない、素材と向き合う講座で育む心
こどもが考え楽しむアートの必要性を発信


こどもあーとすたじおぷろじぇくと

こどもアートスタジオプロジェクト


代表 青木明子:左
ディレクター ホシノマサハル:右


取材日:2012/ 1/18

100を超えるプログラムを実施したワークショップ

 2006年より、浜松市鴨江別館で小中学生を対象に実施しているアートワークショップ「こどもアートスタジオ」。アートマネジメントに関わってきた青木明子さんとコミュニティアーティスト・ホシノマサハルさんを中心に、100を超えるプログラムを続けてきた。「手本や正解、教材はない。あるのは素材」と語るホシノさん。例えば筆で「木」という文字を書く作業で、木という漢字を書くために、木という言葉から連想したものの形で考えを進めさせてみる。すると子どもたちはそれぞれが違うものを描く。素材に向きあってどう考えを深めていくかを伝えることが「こどもアートスタジオ」である。
 青木さんが結婚して浜松で暮らし始めた当時、自身や子どもがアートに触れられる場が少ないと感じていたという。科学や文学などを含めた広義のアート体験をワークショップで実施したいと考え、資金調達とアーティスト探しの中でホシノさんと出会う。文科省の「子どもの居場所づくり」事業としてワークショップが採択されたのを機に、青木さんが運営、ホシノさんが現場を担当して講座を進めている。
 アートを介して地域を良くしていくために、子どもだけでなく親をはじめとする大人の理解が必要、と考えて立ちあげたのが「こどもアートスタジオプロジェクト」。それがもう一つの看板だ。公園の遊具に親子ともども絵を描いた安間川公園でのプロジェクトのように、公共の場で地域の子どもから大人まで巻き込んだワークショップを展開、大人や社会に向けた意識の変化と形成が狙いだ。
 多様なものの見方を受け入れられる人が増えることで、社会が良くなると青木さんは考えている。コミュニティを意識しながらアートの必要性を地域に向けて発信している。






以下、インタビュー

1. こどもアートスタジオ

アートに触れて価値観と考え方を多様に
豊かな感性と想像力をもつ大人へと導く

青木:わたしは2児の母親ですが、下の子を産んですぐ神戸連続児童殺傷事件が起き、衝撃を受けました。なぜそんなことしちゃうんだろう? 彼がもっと別の表現方法を持っていたら…。そう感じました。大人になるまでにはいろいろなことが起こります。その時その時で、さまざまな解決策をもつ人に成長してほしい。そのためにアートに触れる場が必要なのだと当時から考えていました。「どうにでもなるんだよ」くらいの広い心と発想力をここで身につけてほしいです。
ホシノ:ものの考え方や表現の仕方は一通りではないのだから、教材にはこだわりません。こういう考え方もあるのか、と気づかせるのも目的だから。
 講座のネーミングはなるべく固定化しないよう心掛けています。親子で目を輝かせてくれるような、ね。UFO制作室、魔法研究室、テクノ手芸、写真デート…などなど。どうですか? 

2. コミュニティ・アート

子どもにも大人にも、アートを身近なものに

ホシノ:20年、30年先を見たとき、芸術の意味や形は大きく変わっていると思うんですよ。逆に江戸、平安、弥生時代と遡っても変化は一目瞭然でしょ? 何故か。社会が変化するからです。芸術には常に政治・経済的な要素が潜んでいる。だからこそ子どもが、大人が、地域が、アートを身近に感じることが必要で、その場を創るのが僕なんかの仕事です。最近では親御さんも夢中になってくれていますよ。そこから地域を変える力が生まれればいいなあ、って思います。



3. 社会とアートをつなぐ鍵

こどもアートをとおして大人同士がつながり、
社会における芸術の有用性を発信する

ホシノ:僕は浜松に来る以前はアメリカに住んでいて、罪を犯してしまった人を対象にコミュニティ・アーティストとして活動してきました。人種や宗教の混在によってさまざまな問題が起こる欧米では、社会とアーティストをつなげていこうという動きは尊重されています。ところが日本では活動の意義を認めてもらえていないのが現状ですね。

青木:アートが社会のなかで有用であることを多くの人に知ってほしい。そしてこの役割を、仕事として認めてほしいと思っています。
 この活動に対する気持ちはむしろ、お父さんお母さんに届けたいのです。大人が忘れてしまった「こども性」を引き出すことにもつながりますし、特にお母さんは生活によって社会と関わる機会を持ちにくいですから。こどもアートスタジオプロジェクトに関わって、楽しみながらつながってほしい。社会とアートをつなぐ鍵になるように。

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こどもアートスタジオ

浜松市中区鴨江町1番地(鴨江別館 room 201) <連絡先> TEL 090-6646-7338(青木)


こどもアートスタジオプロジェクト(こどもあーとすたじおぷろじぇくと)

- 略 歴 -

2006こどもアートスタジオ 開講
2007旅する絵本カーニバル 開催
2008旅する絵本カーニバルin なゆた 開催
2009安間川公園プロジェクト
 「みんなのこうえんみんなでつくる」開催
海のこども山のこどもの朗読会 開催
2010みんなで持ち寄ってつくる本の展覧会
  Terminal of Books 開催


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