杉山ダルマ店
静岡県富士宮市宮原541-1 TEL 0544-58-4190

- 略歴 -
大正末期 | 1代目の祖父が富士毘沙門天大祭でだるま販売を始める |
昭和初期 | 2代目の父親が静岡市沢屋だるま店でだるま造りの修業をし、だるま造りを始める |
1945 | 当代社長がだるま造りを手伝い始める |
1987 | 作業所を富士市から現在の富士宮市に移転 |
取材日:2011/11/29
昔、吉原駅は鈴川駅と言って、あそこら辺は鈴川という地名だったんですよ。それで私たちの造るだるまは鈴川だるまと呼ばれています。だるまにはそれぞれ土地ごとに特徴があって、鈴川だるまは武州や上州のだるまと比べるとおとなしい顔ですね。うちで造っているのは馬の毛で眉や髭を付けた髭だるまとその髭がないものの2種類です。型を胡粉(ごふん)で白くして1日干す、赤く塗って1日干す、工程と工程の間に干す時間が必要ですから、仕上がるのに10日間くらいかかります。特大のものから手のひらに乗るくらいの小さなものまで、合わせて年間で3万個くらい造ります。それぞれ全部手描きですから、大きいものも小さいものも手間は同じと言えば同じです。いちばん難しいのは墨の部分、髭を描き入れるところでしょうか。みんな同じ顔をしているように見えて一つ一つ表情が違います。描く人によっても違っていると思いますよ。
自分が不機嫌な時にはそういうだるまが出来てしまいます。ですからそんな時には造りたくありません。だるまはご先祖様や神様の傍らに置かれることが多いですから、機嫌が良い時に造ったものを持っていってもらいたい。そのためには自分自身がいつも心穏やかでいなくてはなりませんね。選挙の時はテレビを見たくありません。落選した事務所ではだるまだけが置きっ放しになって晒されているようでかわいそうです。
最近はいろいろな色のだるまがありますが、だるまの赤には魔除けなどのちゃんとした意味があります。私は赤以外のだるまは造りません。型は機械で造れるようになりましたが、そこから先は相変わらず手作業の手間のかかる仕事です。うちの子供達と一緒に小さい時からだるまの中で育った甥がこの仕事を手伝ってくれています。神棚のない家が増えてきてだるまがどこに飾られることになっても、喜んで持って帰ってくれるものを造っていきたいですね。
静岡県富士宮市宮原541-1 TEL 0544-58-4190
大正末期 | 1代目の祖父が富士毘沙門天大祭でだるま販売を始める |
昭和初期 | 2代目の父親が静岡市沢屋だるま店でだるま造りの修業をし、だるま造りを始める |
1945 | 当代社長がだるま造りを手伝い始める |
1987 | 作業所を富士市から現在の富士宮市に移転 |